ホスファチジルセリン(PS)と認知機能

ホスファチジルセリン(PS)は、リン脂質とアミノ酸・セリンが結合したものです。
ホスファチジルセリン(PS)は、わたしたちの脳や神経の細胞膜にも存在して、脳の活動をサポートしています。

ホスファチジルセリン(ビタコスト社)

具体的には以下の脳の活動を支えています。

  • エネルギー源であるブドウ糖を取り込む
  • 脳の老廃物を排出する
  • 脳の血流を増やす
  • 抗酸化物質として、脳の老化を抑制する
  • 脳内物質(神経伝達物質)の生成する、など

記憶力サプリより)

このため、ホスファチジルセリン(PS)の摂取が、認知機能の向上に役立つと言われています。

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一方で、不足すれば問題が生じるでしょうが、だからといって、サプリメントで過剰に摂取したからといって衰えた認知機能や記憶力が向上するとは限らないという考え方もできます。

また、ホスファチジルセリン(PS)サプリメントは、従来は牛の脳からつくられたものでしたが、現在では、大豆など植物由来のものが主流です。両者では、効果が異なるのではないかとも言われています。

この点が、臨床試験ではどうなっているのか、調査してみました。

ホスファチジルセリン(PS)の認知機能を改善する効果

ホスファチジルセリンの認知機能を改善する効果

調査レベル:B
人を対象にした二重盲検比較試験が4件、コーホート研究が1件

効果レベル:C(効果は小さい)

二重盲検比較試験が4件中3件でホスファチジルセリン(PS)が認知症を改善するという結果が出ています。

ただし、大豆由来のホスファチジルセリン(PS)では、効果ありが1件で、効果なしが1件です。

効果ありのものは、日本で行われたものです。

50歳から69歳の記憶力に不満がある78人を対象にした試験で、100mg、または、300mgの大豆由来のホスファチジルセリン(PS)を6ヶ月間摂取したグループは、ミニメンタルステート検査で1ポイント、長谷川式簡易知能評価スケールで2ポイント、スコアが改善した。
(出典:J Clin Biochem Nutr. 2010 Nov)

一方で、記憶力のスコアの高い人についてはほとんど改善が見られませんでした。
また、ホスファチジルセリン(PS)100mgと300mgの差も大きくはありません。

以上から、この実験では、大豆由来のホスファチジルセリン(PS)は、加齢による記憶力の低下や初期の認知症には効果が期待できると結論づけられています。

なお、コーホート研究では、アルツハイマー型認知症の患者が3週間ホスファチジルセリン(PS)を摂取することで、脳内の糖の代謝が14.8%良くなったとあります。これがアルツハイマーの進行を抑制することにつながるのではないかと期待されています。
(出典:Dement Geriatr Cogn Disord 1990)

ただし、この研究では、ホスファチジルセリン(PS)が牛の脳から抽出されたものか大豆由来かは記載されていません。

結論:大豆由来のホスファチジルセリン(PS)については、認知機能を改善する効果は今のところ小さい

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