ホスファチジルセリンと記憶力

ホスファチジルセリン(PS)は、近年、脳の働きを良くして記憶力を高める成分ということでテレビでも紹介されて、日本でも利用者が増えているサプリです。

ホスファチジルセリンは、セリンというアミノ酸と結合したリン脂質で、私たちの細胞膜に微量に存在して、細胞の活動を活発にします。細胞膜のなかでも、脳や神経細胞の細胞膜には多めに存在することもあって、脳の働きをサポートすると言われています。

ホスファチジルセリン

では、人を対象にした臨床試験で、ホスファチジルセリンをサプリとして摂取した場合に、効果は認められるのでしょうか?

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なお、ホスファチジルセリンのサプリは、もともとは牛の脳細胞から抽出したものでしたが、狂牛病の影響があって、近年は大豆由来のものが主流になっています。

ホスファチジルセリンの記憶力を高める効果

ホスファチジルセリンと記憶力

調査レベル:C
人を対象にした二重盲検比較試験が2件、コホート研究が1件

効果レベル:C(効果は小さい)

3件の臨床試験については、認知症でない65歳以上の高齢者を対象に行われたものです。

まず、牛の大脳皮質由来のホスファチジルセリン(PS)を使ったコホート研究では、記憶力アップの効果が認められています。

18人の認知症ではないが、加齢によって認知機能の衰えた18人に毎日300mgのホスファチジルセリンを12週間摂取してもらったところ、学習速度、記憶量は顕著に増加した。
とくに顔認識については強い効果が認められた。
(出典:Isr J Psychiatry Relat Sci. 2000)

次に、大豆由来のホスファチジルセリン(PS)を使った二重盲検比較試験では効果が否定されています。

120人の高齢者を対象にした試験で、12週間300mg摂取したグループも600mgのグループも、プラセボ(偽薬)グループと比べて、学習と記憶力に関するテストで差はなかった。
(出典:Nutr Neurosci. 2001)

一方で、同じ大豆由来のホスファチジルセリンでも、DHAと組み合わせた二重盲検試験では、記憶力アップの効果があるとされています。

認知症ではないが、記憶力に不満を持っている131人の高齢者を対象にした試験で、15週間ホスファチジルセリン(PS)とDHAを混ぜたサプリメントを15週間摂取したグループは、学習や記憶力、課題の達成能力が改善した。改善の程度は、認知機能の高い人ほど高いという結果になった。
(出典:Dement Geriatr Cogn Disord. 2010)

このことから、いちおう次のように言えると思います。

結論:
ホスファチジルセリンの効果は、加齢による記憶力や認知機能の衰えに対しては、DHAと一緒に摂ることで期待はできる。
若い人の記憶力アップに関しては試験がされていないので不明。

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