グルコサミンと関節炎

関節炎にはグルコサミンのサプリが有名ですね。
高齢女性がグルコサミンのサプリを飲んで、ひざの痛みが良くなった、歩行が楽になった、という風に話しているCMもよく見ます。

なお、関節炎には、リューマチや痛風によるものもありますが、ここでは加齢などによって関節の軟骨が痛み、すり減ったことによるもの(変形性関節症)を中心に考えています。

サントリー グルコサミン

グルコサミンは、関節の軟骨の成分として、軟骨を修復することが言われています。
一方で、整形外科の医師などからは、グルコサミンのサプリを飲んでも、関節に栄養分として届くのは極々僅かなので、効果はないという意見も聞きます。

実際のところ、臨床試験ではどうなっているか、調査してみました。

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グルコサミンの関節炎を改善する効果

グルコサミンの関節炎への効果

調査レベル:A
人を対象にした二重盲検比較試験が12件、コーホート研究が1件、メタ分析6件

効果レベル:C(効果は小さい)

12件の二重盲検試験のうち、グルコサミンが関節炎の症状を緩和する効果ありが7件、効果なしが5件となっています。

効果ありは、

212人の軽症のひざ関節炎の患者を対象にした試験で、毎日1500mgのグルコサミン硫酸炎を3年間摂取したグループは、プラセボ(偽薬)グループを比較して、関節腔(関節の軟骨と軟骨の間のスペース)がほとんど減少しなかった。
グルコサミン → 0.06mm減少、 プラセボ → 0.31mm減少
(出典:Lancet. 2001 Jan 27)

202人の軽度から中程度のひざ関節炎の患者を対象にした試験で、3年間毎日1,500mgのグルコサミン硫酸塩を投与されたグループは、関節炎の症状が進行が遅くなった。
関節腔は、 グルコサミングループが平均 0.04mm増加したのに対して、 プラセボグループは 0.19mm減少した。
(出典:Arch Intern Med. 2002 Oct 14)

ひざ関節炎の患者440人を対象にした試験で、毎日2gのグルコサミンを6ヶ月以上摂取したグループは、セレコキシブ(日本における製品名:セレコックス=非ステロイド性消炎・鎮痛薬)200mgを投与されたグループと、ひざの痛みの緩和、ひざ関節の機能改善において同様の効果があった。
(出典:Rheumatology (Oxford). 2013 Aug)

関節炎の男女118人を対象にした試験は、グルコサミン500mgだけのグループ、MSM(メチルスルフォニルメタン:コラーゲンの生成に関わっていて、サプリにも入っているものがある)500mgだけのグループ、グルコサミンとMSM両方を摂取したグループ、プラセボ(偽薬)グループに分けて12週間行われた。その結果、グルコサミン単独、MSM単独でもそれぞれ一定の効果があったが、両方を摂取したグループが、痛み、腫れ、関節の機能性をもっとも改善した。
(出典:Clin Drug Investig. 2004)

反対に、効果なしは

98人のひざ関節炎の患者を対象にした試験で、2ヶ月毎日1500mgグルコサミン硫酸塩を投与しても効果は見られなかった。
(出典:West J Med. 2000 Feb)

80人のひざ関節炎の患者を対象にした試験で、6ヶ月間毎日1500mgグルコサミン硫酸塩を投与してもプラセボ(偽薬)を与えられたグループと差はなかった。
(出典:Rheumatology (Oxford). 2002 Mar.)

1583人の関節炎の患者に行われた実験で、1500mgのグルコサミンだけを投与(A)、1200 mgのコンドロイチン硫酸塩だけを投与(B)、グルコサミンとコンドロイチンの両方を投与(C)、セレコキシブ 200mgを投与(D)、プラセボを投与(E)された各グループの効果は、D>C>B>A>Eの順であった。
とくに中度から重度の場合は、グルコサミンとコンドロイチンの組み合わせも有効と見られた。一方で、グルコサミン単独、コンドロイチン単独の組み合わせは、有効性は低い。
(出典:N Engl J Med. 2006 Feb 23)

これらグルコサミンの効果を測った試験をメタ分析した論文を見ると、グルコサミンに関節炎を改善する効果は認めているものの、効果が大きいものは産業の影響がある、バイアスがかかっていることを示唆しているようです。
(Cochrane Database Syst Rev. 2001)(BMJ. 2010 Sep 16)など

以上をまとめると、
グルコサミンが関節炎の症状を改善する効果は小さい。
ただ、コンドロイチンやMSMなどと組み合わせて摂取すると、効果はアップする可能性がある。また、長期摂取が必要。
ということになるかと思います、

なお、グルコサミンのサプリメントには、グルコサミン硫酸塩とグルコサミン塩酸塩があって、後者が優れているという主張がメーカーからされているようですが、コーホート研究では両者の差はないとなっています。(出典:J Med Assoc Thai. 2010 Jul)

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