クロムはインスリン抵抗性を改善するか?

インスリンの働きを良くするためのサプリとして、もっとも臨床試験が行われているのは、クロム(クロミウム)です。この点は、他の糖尿病に関するパラメーターと同じです。

クロムは体内に必要なミネラル(微量元素)であり、クロム自体はインスリンの働きに関わっていると思われます。
不足すれば、問題が起こるでしょう。しかし、反対にクロムを大量摂取したからといって、インスリン抵抗性が改善するかというと、単純にそうとは言えないようです。

クロム(クロミウム)

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クロムのインスリン抵抗性を改善する効果

クロムとインスリン抵抗性

調査レベル:A
人を対象にした二重盲検比較試験が14件、コーホート研究が2件

効果レベル:C-(効果は非常に小さい)

14件の二重盲検比較試験のうち、クロムがインスリン抵抗性を改善するというものは5件に過ぎず、残り9件では効果が否定されています。

コーホート研究では、2件ともインスリン抵抗性を改善するとなっています。

効果あるというものはありますが、少し微妙です。

ヘモグロビンA1cの数値が8.5%以上の2型糖尿病の患者30人を対象にした実験で、6ヶ月間1mgのクロム(酵母)を摂取したグループは、インスリン抵抗性が改善して、ヘモグロビンA1cが0.7%(10.2%から9.5%)、血糖値が11%下がった。
(出典:J Clin Biochem Nutr. 2008 Nov)

←これはインスリン抵抗性の数値が出ていません。

多嚢胞性卵巣症候群の女性5人に470マイクログラムのクロムを1日2回2ヶ月間与えたところ、ブドウ糖消失率が38%向上して、インスリン抵抗性が改善した。しかし、他のパラメーターは良くなっていない。とくにインスリンの量は減っていない。
(出典:Fertil Steril. 2006 Jul)

試験の内容を見ると、「効果なし」の方が信頼できるものが多いです。

2型糖尿病患者137人を対象にした試験で、1日1mgのクロムを2回に分けて24週間摂取したグループは、インスリン感受性が増加する傾向にあったが、統計的に有意ではなかった。また、摂取した人の46%だけに反応が見られた。
(出典:Metabolism. 2010 May)

クロムを飲んでも効果が見られる人と見られない人に2分され、効果が見られる人も大きな変化はないということになります。

すでに投薬を受けている57人の2型糖尿病患者に400マイクログラムのクロムを含む酵母を摂取してもらったが、どんな変化もなかった。
(出典:Diabetes Care. 2007 May)

結論:クロムのインスリン抵抗性を改善する効果は非常に小さい

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